六腑-胆

六腑とは？？🤔

六腑とは、「胆・胃・小腸・大腸・膀胱・三焦」という6つの腑の小腸です。六腑にはどれも腑としての共通の性質や働きがありました。

よくみなさんがお聞きする(？)言葉として「五臓六腑」と一つにまとめられて使われることが多いです。これは「五臓」と「六腑」の別々なものです。ちなみに、五臓は肝・心・脾・肺・腎の5つになります。

六腑は「奇恒の腑(きこうのふ）」とも言われています。もっと詳しく知りたい人はこちらを御覧ください♡

今回は六腑の一つ、胆をご紹介いたします♡

胆

胆の働き

①胆汁の貯蔵と排泄(分泌)

胆には胆汁を貯蔵し、必要に応じてこれを排泄(分泌)する働きがあります。そして胆汁には食べ物の消化を助ける働きがあります。胆汁が正常に分泌されないと、食べ物はきちんと消化されません。そこで胆の多くは、単なる胆の問題だけではなく、同時に消化を受け持つ脾胃の問題としても現れます。

ただし、胆の働きとは、胆が自分で生み出しているものではありません。背後にいる肝の影響がなければ、胆は胆汁を生成することも貯蔵することも排泄することもできないと、中医学では考えています。なぜかというと、そもそも「胆汁とは肝の気から生まれる」と考えるからです。

例えば、「肝の余った気が胆に分泌され、それが集まって胆汁になる」という言い方があります。これは胆汁の生成に対する、肝の影響を語っているものです。そして中医学にはさらに胆汁の貯蔵も排泄も、肝の疏泄の働きがコントロールしていると考えています。つまり胆の働きの異常は、大部分が肝の疏泄の異常によって起こされるものです。

この2つの話から、胆の多くの問題は、単なる胆の問題としてではなく、脾胃の問題や、肝の問題と、同時に現れることが多いとわかります。

では、脾胃や肝の問題ではない、胆の問題とは、どのように現れるのでしょうか？

胆の気や胆汁には「下降する」という特性があります。つまり正常な状態では、下降しているということです。そこで胆の問題の多くは、胆気や胆汁の上逆として現れます。胆汁は苦くて、黄緑色した液体です。そこで、胆気・胆汁が上逆すると「口が苦い」「黄緑色の液体を吐く」などの症状が現れます。

ただし、胆に異常が起こったとき、胆気や胆汁が必ず上逆するとは限りません。正常に分泌されない胆汁は「外に向かって溢れ出す」こともあります。これは黄疸という症状として現れます。

以上の症状の関係をまとめると、以下のようになります。ご覧くださいませ♡

	内部の状態	外部の招待
病んでいる状態	肝の疏泄が滞り、胆汁が十分に分泌されず、消化に影響する	・脇の下が張って痛い(感の問題) ・消化不良で食欲がない(脾の問題) ・お腹が張る(脾の問題) ・大便がゆるい(脾の問題) など
病んでいる状態	胆気の流れに問題が起こり、胆気・胆汁が上逆する、または溢れる	・口が苦い(胆の問題) ・黄緑色の苦い液体を吐く(胆の問題) ・黄疸(胆の問題)

②決断を受け持つ

中医学では、胆は神(精神・意識)と深い関係があると考えています。神といっても様々ですが、主に2つと関係が深いとされました。

つまり胆気が充実していれば、「優柔不断になることもなく、ものごとをすぐに決定し」さらに「ものごとに動じることなく」いられるということです。「豪胆」「大胆」「胆(肝)がすわっている」などの表現に、そのまま通じますね。

また外からの精神的刺激に弱い人は、いつも気持ちが落ち着かず、いろいろ気になって眠れなくなることがあります。これを中医学は「胆気が弱いタイプの不眠」と捉えます。つまり胆と神との関係には、先の2つだけでなく、もう1つ「睡眠への影響」もある訳です。

こうした関係は、現象として以下のようにまとめましたので御覧ください♡

	内部の状態	外部の状態
病んでいる状態	胆の気が弱る	・すぐにびっくりする ・怖がり ・考えてばかりで、ものごとを決められない ・いつもおどおどしている ・不眠、または夢が多い など

参考文献
中医学ってなんだろう 小金井信宏