陰陽学説②

前回の陰陽学説①の続きになります。陰陽について知りたい!という方はまず「陰陽学説①」を御覧ください♡

陰陽を使って診断する

病気の症状には、様々なものがあります。でも、「陰陽のモノサシ」を使えば、その多くは、やはり、陰と陽に分けることができます。中医学では、陽に属する症状を「陽証」、陰に属する症状を「陰証」と言います。

以下、表にまとめましたのでご参照に♡

顔色明るい暗い
腫膓の色赤く腫れる表皮の色は不変、または青色、紫色のような暗色
舌の色明るい赤青・紫がかかった赤
尿の色色が濃い色が淡い
色で診る陰陽の分類

腫脹の質適度な硬度非常に硬いor非常に柔らかい
腫脹の形高く盛り上がっている平ら、or下陥する
浮腫の質指で押してももとに戻る指で押すとくぼんだままになる
質・形で診る陰陽の分類

話し声力がある、多く話す力が弱い、話すのが億劫
話し声で診る陰陽の分類

痛み患部を押すと増悪患部を押したりさすったりすると軽減
痛みで診る陰陽の分類

脈診力がある、速い、など力が弱い、遅い、など
脈から診る陰陽の分類

陰陽を使って治療する

病気とは、陰陽のバランスが崩れることで起こります。そこで治療は「陰陽のバランスを回復させる」ことが目的となります。中医学には様々な治療原則がありますが、どれもこの原則から外れることはありません。

具体的にどのように陰陽を回復させるのかというと・・・

陰陽のバランスは「陰か陽のどちらかが強くなる」or「陰か陽のどちらかが弱くなる」というのは軸として、

前者の「陰か陽のどちらかが強くなる」には、強くなっているものを除く「実則瀉之」、後者の「陰か陽のどちらかが弱くなる」には不足しているのでそれを補う「虚則補之」という治療方法があります。この言葉は黄帝内経に載っています。

例えば、陽が足りない場合、どの臓の陽が不足しているのかによって「心陽虚」「脾陽虚」「腎陽虚」などに別れます。また同じ臓の陽虚であっても「軽い脾陽虚」と「重い脾陽虚」など、程度の違いがあります。

そして陽虚は、必ずしもひとつの臓に怒るとは限りません。例えば「脾腎陽虚」などという場合もあります。この場合、同じ脾腎陽虚でも、さらに「脾陽虚>腎陽虚」「脾陽虚<腎陽虚」「脾陽虚=腎陽虚」などのバランスの違いもあります。

「陽虚」1つ見ても、こうした様々な状況があるのです。そしてこれらの状況は、病気の進行とともに変化します。

薬の性質

①四気五味

中医学では、薬を「作用」だけでなく「四気五味」というものでも分類します。「四気五味」とは、薬の性質と味のことです。今からお話する四気五味は生薬や食材で最も用いられる考え方の一つです。私も、食材の性能・性質を見極めて、生徒さま一人ひとりにオーダーメイドの食材の組み合わせを提供することができます♡

例えば、コックさんは調味料や食材一つ一つの「性質と味」を知っている必要があります。また作曲家は、楽器の一つ一つの「性質と音色」を知っている必要があります。

これと同じように、中医師や薬膳師は薬や食材一つ一つの「性質と味」を知らなくてはなりません。薬の作用しか知らないのでは、いくつもの薬をあわせて処方することができないからです。

薬の性質には「寒・涼・熱・温」の4つがあります。これが四気五味の「四気」です。そして「五味」とは「辛・甘・酸・苦・鹹(かん)」の5つです。

例えば、四気五味で「辛熱薬」と分類される薬があります。「辛」「熱」も陽なので、辛熱薬は陽に属する薬といえます。これは、なんとなくわかりますね。でも、中には、「辛寒薬」という薬もあり、陽と陰の両方の性質をもつ薬もあります。また同じ「辛寒薬」でも「辛味の作用が強い辛寒薬」と「寒性がつよい辛寒薬」とでは、陰陽のバランスが違います。

人間が一人ひとり違うように、薬や食材にも一味一味、それぞれの個性があるのです。

②昇降浮沈

中医学では、薬や食材の性質をさらに「昇降浮沈」として分類します。

主に身体の外側や上部に作用する薬や食材には「昇」「浮」という性質があり、主に内側や下部に作用する薬や食材には「降」「沈」という性質があります。

そして、この昇降浮沈も陰と陽に分けることができます。

昇降浮沈昇・浮降・沈
昇降浮降の陰陽の分類

こうした陰陽の分け方も、四気五味による分類と同じく、複雑なものになっていきます。

参考文献
・中医学ってなんだろう①人間のしくみ 小金井信宏
・薬膳アドバイザー 薬膳の基本と中医学

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