秋は『肺』の養生をしましょう!Part1
秋の季節の特徴( ブログ「秋の養生」も見てね!)として、燥邪に侵されるという中医学的な考えがあります。燥邪の漢字を見るとなんとなく見当がつくと思いますが、燥邪に体を侵されるといろんなところが乾燥してきます。例えば・・・
- 皮膚の乾燥
- 唇の乾燥
- 大便の乾燥など
燥邪に侵されると乾燥以外にも怖い症状が現れます。それは、呼吸器系を攻撃されることです。攻撃されたら肺気が上逆してしまい厄介なことが起こります。例えば・・・
- 風邪を引きやすくなる
- 鼻が乾燥する
- 痰がのどに絡む
- 喘息など
上記のような不調で悩んでいる方や、秋に体調を悪くする人はしっかりと「肺」のケアをし、肺と向き合うことが大切です。
これから秋の不調を一緒に改善していきましょう!!
そこでまず、肺の働きについて知っておく必要があります。みなさんの参考になればと思います。
肺の働きとは?
主に肺には「気を受け持つ」働きがあります。肺が気を受け持つことができるのは肺に「呼吸を受け持つ」働きがあるからです。要は肺の様々な働きは、全て「気を受け持つ働き」と「呼吸を受け持つ働き」で成り立っていると考えてください。
肺が呼吸を通して働いていることは2つあります。
- 外の空気(薬膳的に清気)を取り入れること
- 気を運行させること(※part2で書きます!)
です。肺の働きのすべてはこの2つから生まれます。2つの働きについて詳しく説明するので、根気があれば是非お読みください。笑
外の空気を取り入れる働きって?
- 気の生成と深く関わっている
気の生成と書きましたが、ここでは「気=清気」だと考えてください。中医学では、清気は気の原料だと考えています。つまり肺は、主に原料の供給という立場で、気の生成と深く関係しているという訳です。気の生成と関係する働きが弱くなると以下の症状が現れます。
- 呼吸が浅くなる
- 声が低くなる
- 声に力がない
- 身体に力がみなぎらないなど
- 気を受け持つ
(清)気は上部にある様々な器官に、エネルギーや栄養を与えるものともされています。例えば、視覚・聴覚・嗅覚・発声などが正常であるためには、(清)気が欠かせないものであると考えるのです。(清)気が上部へ送られなかった場合以下のような症状が現れます。
- めまい
- 鼻詰まり
- 鼻が乾燥する
- 耳鳴り
- 耳の聞こえが悪いなど
- 気を上へ外へ動かす
肺には呼吸を受け持つ働きがあります。そして中医学では「吸う→吐く」と連動する呼吸運動は全身の気を動かす原動力になっていると考えます。呼吸はもちろん「吸う→吐く」で1セットですが、特に「吐く」という働きこそが気を上へ、外へ動かす働きです。このとことを薬膳的に「宣発(せんぱつ)」と言います。
宣発の具体的な働きは以下の通りです。
①体内の汚れた気を外へ排出する(吐くことで皮膚や口から外に出るという考え)
②飲食物を消化して得られたエネルギーや栄養うぃ体の表面である皮毛へと行き渡らせる
③バリアーの役割をする衛気(えき)を体の表面へと張り巡らせる
④(清)気を上部にある様々な器官へ送る
上記の4つがうまく働かなかった場合以下のような症状が起こります。
- 風邪を引きやすくなる
- 汗が多く出る
- 皮膚がかさかさになる
- 体の表面が冷たくなる
- 寒気がする
- など
- 気を下へ内側へ動かす
呼吸のなかで「吸う」ことに伴う気の動きや、その結果生まれる働きを気を下へ、内側へ動かすことになります。このことを薬膳的に「粛降(しゅくこう)」と言います。この働きの具体的な内容は以下の通りです。
①(清)気を吸い込み、下部の器官に気を送り込む(主に腎に)
②気の上逆を抑える
③飲食物を消化して得られたエネルギーや栄養を下部の器官に送る
④体の上部の水を下部の臓器(主に腎)へと送ることで水分代謝を助ける
⑤肺や器官を清潔に保ち、痰などの異物がたまらないようにする
⑥大腸の大便を下へ送る働きを助け、正常な排便を促す
上記の働きが困難になると以下の様な不調が現れます。
- 咳
- 喘息
- 顔がむくむ
- 尿の量が減る
- 咳と同時に痰がからむ
- 喘息のときに痰がのどにつかえ、呼吸をさまたげるなど
上記の症状が現れたら、肺の気が弱っている証拠です。対処法としては、
深呼吸を意識する・山芋やはちみつ、枸杞子など肺を強くする食べ物を摂取するなどして労ってあげてくださいね。
Part2はまた次のブログにて♡
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