夏バテにならない体作り〜脾を強くして夏でも元気に乗り越えよう〜

8月になりましたね。本格的な暑い夏の始まりです。

夏バテは、病気ではありませんが、体が重だるく、やる気も食欲もなくなってまさに病気の元になるうる状態になります。

日本のようにジメジメした夏は食べ物は傷みやすいし、洗濯物はよく乾きません。私達の体も湿気が溜まりやすくジメジメした体質になりやすいと中医学では考えます。これは中医学の整体観念という思想からです。

夏バテの第一の原因は、外界の熱をうまく処理できてないために、体内の熱バランスが崩れることにあります。また、島国特有の湿気も体の中の水分代謝のバランスを崩してしまいます。水分代謝に関わる臓腑はですが、湿気と冷たさをとても嫌がる臓腑でもあります。外界の湿気と暑さでついつい飲んでしまう冷たい飲み物や食事が脾を傷つけてしまいます。脾が弱ると体内に余分な水分が溜まってきて、むくみや体の重だるさ、下痢、お腹が張る、脱力感、疲れやすい、食欲不振などといった症状が出てきます。

脾とは?

五行学説の図

脾は五行学説では「土」に属し、深い関わりのある季節は「長夏」(梅雨)を指します。長夏はジメジメしたしっけのある季節のことを指すので、日本の場合は「夏」も当てはまります

器官
形体
五華
情志
五気湿
五味
五行対応表(脾に関わるVer)

脾には気や血を生成する働きがあるので、「後天の本」または「気血生化の源」とも呼ばれています。

主な脾の働きは

  • 運化の働き

食べ物や飲み物、口にしたものを消化・吸収し、得られたエネルギーや栄養を、体全体に運ぶという働きをしています。この働きを運化水穀といいます。水穀は飲食物のことを言います。飲食物を消化・吸収する働きはいくつもの臓腑が臓腑が関係しています。どういうことかというと、脾の運化には飲食物から得た栄養を運ぶ働きがあり、脾が元気だからこそ、他の臓腑もしっかり働けるという意味。臓腑だけでなく、手足や様々な器官もみんな脾が運んでくれる気血を受け取って動いています。だから脾の働きが弱ると、体の様々な部分に影響が出るというわけです。どのような影響が出るかというと、お腹が張る・下痢・食欲不振・倦怠感・疲れやすいなどの症状が出ます。

脾は飲食物だけを運ぶだけではありません。もう一つ運化水液といって、飲食物の消化・吸収を通して、体全体の水の流れを調整する働きのことです。この働きを運化水湿といいます。臓腑や器官などに、必要な水液を届けてあげる働きをしています。そして余った水液を、今度は肺や腎へ送り、余分な水分は肺→皮膚→汗、腎→膀胱→尿として排出されます。つまり必要な水を体内に届けるのも出すのも、どちらも脾の運化に支えられていると考えます。脾の働きが弱ると、水液は体の中に停滞し、様々な病気の元になりうるのです。どのような影響が出るかというと、むくみ・尿の量が減る・汗の量が減る・体が重だるく感じるなどの症状が出ます。

  • 気血生化の源

気は飲食物消化して水穀の精微と呼ばれるものを作ります。これは栄養やエネルギーの総称です。そして、中医学は、気や血も、この水穀の精微から作られると考えるのです。つまり、脾は気血を生み出す元なのです。脾の働きが弱ると、水穀の精微を十分に作り出せず、気血の不足にも繋がります。具体的な症状例としては、倦怠感・疲労感・食欲不振・下痢・話すのがめんどくさい・呼吸が弱い・めまい・顔色が白い・唇や舌が白い・爪が白いなどです。

湿邪との関わり

夏の湿の邪気が体の中に入ってくると、大変です。治りにくい、長引きやすく、再発しやすい特性を持っていますから。また頭が重だるい・手足がだるい・目やに・尿の混濁・おりもの異常・軟便・湿疹・むくみなどといった症状がでます。脾の働きを強くすることで、湿邪を追い出すことができます。

ジメジメした夏の薬膳のポイントは?

利尿作用のある食べ物で脾を強くしてむくみ予防!

じめじめと蒸し暑い日が続くので、ストレスを貯めないように気を巡る食材を選ぶ!

湿気のある食べ物(脂っこいもの)を避け、あっさりした食べ物を食べよう!

苦味のある食べ物で体の中を除湿しよう!

甘味のある食材は脾を強くしますが、たくさん食べすぎると湿を呼ぶので気をつけよう!

冷たいもの、生物は脾を傷つけるので控えましょう!

夏におすすめな食材は?

豆類、とうもろこし、メロン、すいか、あさり、しじみ、海藻類、ハトムギ、キャベツ、さくらんぼ、人参、イモ類、りんご、れもん、しそ、ピーマン、玉ねぎ、陳皮、生姜など

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