【薬膳コラム】花粉症を治したい人必見!花粉症改善の前にあなたは冷えていませんか?薬膳のプロが教える、食事や生活から改善できる方法をご紹介します。

薬膳からみる花粉症とは?

花粉症は日本人の中で4人に一人の割合で存在します。スギ、ヒノキ、イネ科、キク科などの植物の花粉が主な原因で、くしゃみや鼻水などの症状が現れる、アレルギー症状のことを言います。または季節性アレルギー性とも呼ばれます。

アレルギーの原因物質のことをアレルゲン(抗菌)といい、体の中に入ってきたらアレルゲンをやっつけるために「抗体」という物質が現れます。この抗体がアレルゲンを退治し、再びアレルゲンが入ってこないようにする。これを一般的に「免疫」というものです。

しかしあまりにもアレルゲンの量が多かったり、抗体の力が不足していると人間の細胞が刺激され、気管支が収縮したり、血管が拡張したり、血管の内側から不要なものが出てきやすくなります。そうすると、くしゃみや鼻水などの「花粉」の症状が現れます。またひどい人は、蕁麻疹(じんましん)のような湿疹が現れる人も少なくありません。

薬膳の世界では花粉やアレルギー、アトピー、風邪など、外界に存在し人間に悪影響な物質のことを「邪気(じゃき)」と呼んでいます。邪気は風が吹き荒れる春に体の中に侵入し、体の隅々まで襲います。その結果、花粉であれば「鼻水、くしゃみ、目のかゆみ」などの症状が現れ、風邪なら「頭痛や発熱、喉の痛み」などの症状が出てきます。体のいろんな場所に現れるのが特徴です。

人間の体はバリアーで守られています。このバリアーの役目を果たしているのが、「気」の働きで「衛気(えき)」という「気」で守られています。この衛気が充実して入れば、皮膚や鼻や口などの粘膜を覆い、花粉からの外敵から身を守っているという仕組みです。

冷えと花粉症の関係

花粉症のタイプとして「冷えが原因」と「熱が原因」の二種類あるのはご存知でしょうか?

寒気がして、だらだらと水っぽい透明な鼻水を出したり、くしゃみを連発する「冷えタイプ」の人。もう一つは、目の周りが真っ赤になったり、肌が痒くなったり、喉がイガイガしたり、黄色い鼻水が出る「熱タイプ」。そして、両方を併発する混合タイプの人がいます。どちらの症状も共通しているのが、気が不足している気虚タイプの可能性が。気の働きとしては「体を温める働き」「風邪を引かないように人間の周りにバリアーのような気を張っている」など気の働きはたくさんあります。そして、気虚の中でも人間の体表を覆っているバリアーのような役割を果たしている「衛気(えき)」が不足していると考えます。衛気が不足しているのはいくつかの原因がありますが、冷えが原因で衛気が不足し気虚の症状が現れている可能性があります。

あなたの体質は水毒体質では?

薬膳では花粉症を持つ体質の人、或いは、花粉症のシーズンになると体調を崩す人を「水毒」または「水滞」という体質になります。先ほど「気虚」の体質の人が花粉症になると言ったのですが、気虚の人たちは体の水分や血を動かすことができないと中医学では考えます。この人たちは体の中に余分な水分が溜まっているので、鼻水やくしゃみという症状が体の外側に現れます。この水をうまく排出すれば、花粉症も軽減するわけですが、この根本の原因は「冷え」からくると考えられています。冷えると自然界も私たちの体も縮こまります。これは自然界と人間の体はひとつという考え方があるためです。この考えに沿ってみると、冷えることで体の水分も滞ってしまい、鬱滞してしまいます。水の滞りで「水毒」や「水滞」という体質になってしまうわけです。なので冷えを改善すれば、体の水分の流れもよくなり、花粉症を軽減できるというわけです。体温を36.5度以上の平熱にしましょう。

水毒または水滞の体質診断

  • むくみやすい
  • 頭が重だるい
  • おりものが黄色のネバネバしたものがよく出る
  • 舌が歯の跡がついている
  • 下痢または軟便気味
  • 甘いもの、脂っこいもの、冷たい飲み物や食べ物を好んで食べる
  • 働いている環境が水系の仕事(例:お花屋さんやお魚屋さんなど)

上記の症状が2つ以上当てはまる人は要注意です。そして女性は水毒や水滞の体質になりやすいです。これは陰陽学説に基づくと女性は陰に所属しているからと言われますが、他に「女性はお皿洗い、洗濯物、トイレ掃除、お風呂掃除など水周りの仕事を毎日行なっているので、余分な水が体の外から侵入してくる」という言葉があるくらいですから、みなさんも他人事ではありませんよ。

私って冷えが原因の花粉症なのかしら?

  • だらだらと鼻水が続く
  • くしゃみを連発する
  • 鼻水が白い、透明
  • 寒気がする

花粉が飛び出すシーズンになって、上記のような症状が現れる場合は冷えが原因だと思ってください。この方たちは、おそらくあまり汗をかかない生活を送っているのではないでしょうか?例えば、お風呂の湯船につからずシャワーだけで済ます、過度のダイエット、仕事へのストレス、外食が多い、お酒を毎日大量に飲むなどなど・・・どれも冷えを呼び込んでしまう生活です。休日はスポーツやサウナ、岩盤浴などに行き、積極的に汗をかくようにしましょう。

気を強くするためには?

私たちの体表を覆い、バリアーの役割を果たす「気」を充実させれば、花粉症をはじめ邪気から身を守ることがです。気と関連する臓腑がいくつかあり、「肝」「脾(ひ=消化器官、胃)」「肺」「腎」の4つになります。特に花粉症などの邪気から身を守ることと深く関係している臓腑は「脾」と「肺」と「腎」になります。薬膳では、バリアーとしての働きを持つ気(衛気)は呼吸と飲食によって生まれると考えられています。普段から食が細い人・胃腸が弱い人・下痢気味な人は「脾」の低下が考えられます。また、風邪をよく引く・呼吸がうまくできない人は「肺」が弱っている可能性が高いです。そして免疫力を管轄している「腎」が弱っている人は手足が冷える・顔だけ火照るなどの症状が出ます。この免疫力を管轄している「腎」を強くするためには消化器官である「脾」を強くしていく必要があります。腎は冷えることを嫌う臓腑なので、しっかりと食で養生してあげることが大切です。脾を強くすることで腎に栄養がいく(相克関係(そうこくかんけい))ので腎が強くなるというわけです。

少し難しいお話をしましたが、要するに「脾」と「肺」と「腎」を強くすること。脾とは胃と表裏関係を持つのでやはり、食事から改善していく必要があります。そのために、知識を入れておくのは大切です。また腎は冷えを嫌います。冷えている人は花粉症の人が多いのではありませんか?腎の働きとして免疫力を司っているので、邪気のから身を守るバリアーは腎が深く関係しています。

そして「肺」は空気を吸い、全身に気の栄養を巡らせる臓腑です。肺の機能が充実して入れば、体表を守るバリアーの衛気は満たされます。そして肺が一番嫌いなのは「乾燥」。乾燥を防いであげることで、衛気を充実させてあげることが可能になります。特に秋から冬にかけての冷たい空気は肺の機能を弱らせます。また、過度の辛いものの取りすぎも肺を弱らせる原因になります。加えて、睡眠不足・暴飲暴食などは体のバランスを崩し、衛気を弱らせてしまうので、早く寝る日を増やしてあげることが大切です。これは春先におこる花粉症対策です。冬の間に養生してあげてくださいね。

体を温めよう!おすすめな食材をご紹介!

「冷え」が原因なのですから、体を温める食材を積極的に摂取することをおすすめします。体を温める食材は「こういう形しています」「赤色です」「大きい食材です」と言えればいいのですが、そういうわけにはいきません。スーパーで買える食材をご紹介しますのでご安心ください。

  • 玉ねぎ
  • 南瓜
  • 生姜
  • ネギ
  • 紫蘇
  • 味噌
  • ぬか漬け

などの食材を積極的に摂取しましょう。他にも体を温める食材として「羊肉」があります。羊肉はお肉の中で一番体を温めると言われています。しかし、食べてから消化するまで時間がかかってしまうため、控えるようにしましょう。腸内環境をよくしてくれる「ヨーグルト」はひと昔前から「花粉症にいい」と言われていますね。しかし胃腸を冷やし、脾の働きを止めてしまいます。そうすると、パワーが作り出せなくなり、冷えをより悪化させたり、鼻水が止まらなくなるなど花粉症としての症状を助長させます。胃腸が弱い人はなるべくヨーグルトを食べないようにしましょう。

花粉症以外のアレルギーは大丈夫?

アレルギーの中には食べ物でアレルギー反応が出たり、ハウスダスト、アトピー性皮膚炎など様々なアレルギーがあり、肌がぐちゅぐちゅになって困っている人も少なくはありません。アレルギーのほとんどが、体の水分が鬱滞している状態で、余分な熱が溜まっているます。この根本的な水の鬱滞を取り除かなければ、よくなりません。そのほとんどが、冷えが原因であると言えます。体温・体力・免疫力の向上がアレルギーから脱出できる鍵になります。

 

 

 

 

 

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