鬱の薬膳
「五月病」
というように昨今、非常にこの言葉がTVやメディアに取り上げられています。
私もそんなにTVを見る方ではありませんが、偶然NHKをつけたら五月病の特集をしていました。
そんな訳で、鬱病の薬膳に少し触れてみたいと思います。
鬱も最近の現代医学では様々な種類の鬱が出て来ましたよね。
私の主人も付き合っているときに会社のプレッシャーに負けて鬱病と診断されて薬を飲んでいました。薬には頼りたくない!と言って薬をやめていましたが。
鬱とは、中医学の言葉でストレスによる病気の総称です。抑うつ、情緒不安定、よく怒りよく泣く、不眠などの症状として現れます。
ヒステリックも上記の中に含まれます。
鬱の症状に関連する臓腑は主に「肝・脾・心」に影響が大きいと言われています。
具体的な症状としては、
・肝気鬱結(かんきうっけつ)の人
・気鬱化火(きうつかっか)の人
・気滞痰鬱(きたいたんうつ)の人
・心神失養(しんしんしつよう)の人
中医学的にこの4パターンが主です。
以下、具体的に説明していきますね。
【肝気鬱結(かんきうっけつ)】
鬱の大きな原因の一つです。肝の気がパンパンに張ってしまって、気の巡りが悪いのが特徴です。五行学説で、肝の気が張ると消化器官(脾)に攻撃をしてしまいます。なので食欲不振になったりするのも特徴。春先にもこの症状が現れます。なので春先は鬱病になる方が多いのではないでしょうか。
主な症状としては、
・心が晴れず、うつうつとする。落ち着かない
・お腹が張るような痛み
・ゲップ、ひどい時には嘔吐。
・無月経
などの症状が出ます。
こんな方には気の巡りをよくすることが大事です。食べ物としては、紫蘇・ニラ・みかん(柑橘類)・フェンネル・ジャスミン・薄荷などを摂取して気の巡りをよくします。
【気鬱化火(きうつかっか)】
上の肝気鬱結(かんきうっけつ)の症状が長くなると気鬱化火(きうつかっか)の症状になります。イライラ感を伴う鬱の原因です。肝火が肝の経絡に沿って上昇したもので、胃に影響すると、胃に通じている口、顔面に症状がでることがあります。
症状としては
・せっかちで怒りっぽい
・脇や腹の張りがある
・酸っぱいものがこみ上げる
・口が渇く、口が苦い
・便秘や頭痛
などの症状が現れます。
肝気鬱結の症状の治法(気の巡りをよくする)+消化機能を整えること。他には肝の火邪を鎮めることが治法。
食べ物のしては、セロリ・菊花・春菊など。山査子・椎茸・大根なども◎胃を整えるには、とうもろこし・じゃがいもなどを食べるとよいですね。
【気滞痰鬱(きたいたんうつ)】
気が滞り、水分代謝低下した状態が原因の鬱。これは脾に影響した肝鬱が、消化の働きを阻害し、湿を生じてたんを形成したものになります。痰はとっても厄介なので、治りにくいし、再発しやすいです。この鬱は長引きやすいので注意が必要です。
症状としては
・飲食と関係なくのどに何かが詰まっているように感じる
・胸のあっぱ各巻と閉塞感、脇の張りや痛み
などの症状が現れます。
治法としては、気を正常に巡らせること。痰を取り除くことです。
気の巡りをよくするのは香りが、にら・みかんなどの食材。
痰を取り除くものは、たけのこ・椎茸・冬瓜・紫蘇・大根などの食材。
【心神失養(しんしんしつよう)】
長期間の心配事で心の気をかなり消耗し、そのために血も消耗してしまった状態のこと言います。血が消耗すると精神不安になり、不眠などの症状が出ます。
主な症状としては
・ぼーっとしていて時々あくびをする
・情緒が不安定、悲しみ、よく泣く
治法としては、蓮の実・ゆりね・牡蠣・棗を食べるといいです。
この心神失養(しんしんしつよう)は中国の古い書籍でも「臓燥(ぞうそう)」という言葉で、女性に多くみられるヒステリーや更年期障害を含む症状として記述があるくらいです。更年期を迎える女性は上記の食べ物を摂取して予防してみてはどうですか?
以上、鬱についての中医学から見る症状名と治法のご紹介でした。みなさんの参考になれればと思い、記事を書いてみました。鬱になる前に予防をしてみてはいかがでしょうか?
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